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星の王子様〜人間はもともと孤独で寂しい存在

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石垣島や小浜島のある八重山諸島は、日本で唯一、南十字星が見える場所です。

南十字星のことをこちらの言葉で『はいむるぶし』といいます。

南に群れる星と書いて、八重山地方では「南=はい」「群=むる」「星=ぶし」と読みます。

『はいむるぶし』を初めて見たのは、はいむるぶしのビーチからでした。

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(写真は、石垣島天文台からお借りしました)

私はあまり星の名前は知りませんが、八重山諸島は、北緯24度(日本最西南端)にあるので、21個の1等星すべてと、88星座のうち、84星座が見えるそうです。

ところで、石垣島天文台は結構私のお気に入りスポットです。

この天文台へたどり着くまでのくねくねした林道が妖精率高し、な感じで好きです。

去年の夏は、南の島星祭りというのがあり、石垣島在住の俵万智さんが選者で、星にまつわる『美ら星の歌』を応募していました。

このときは、

『戦なき美ら星願いてぃんがーら
流れる星にハッと手合わし』

というなんとも美しい歌が特選で選ばれていました。

(てぃんがーら=天の川のことです)

私が星に興味をもったのは、星の王子様の絵本を読んでからです。

もし、きみが、どこかの星にある花がすきだったら、

夜、空を見あげるたのしさったらないよ。

どの星も、みんな、花でいっぱいだからねえ

星を見ると『星の王子様の花』のことを思い出してしまいます。

私の好きな場面は王子様が、ストーリーの始めの方で

ぼくの星には、よそだとどこにもない、めずらしい花が一つあってね、

ある朝、小さなヒツジが、うっかり、パクッとくっちまうようなことがあるってこと、

ぼくが ― このぼくが ― 知ってるのに、

きみ、

それがだいじじゃないっていうの?

といって、顔を真っ赤にして怒るところです。

本当に王子様は子供みたいだな、と思っていましたが、読み終わって星を見た時には、

ヒツジはバラを食べたのかどうか気になってしまう不思議な物語でした。

地球は、そうやたらにある星とはちがいます。

そこには、百十一人の王さま、七千人の地理学者と、

九十万人の実業屋と、七百五十万人の呑んだくれと、

三億一千一百万人のうぬぼれ、

つまり、かれこれ二十億人のおとながすんでいるわけです。

柳田邦男さんが

「人間はもともと孤独で寂しい存在だ。

心のいちばん深いところにあるものは、悲しみなのだ。

そのことを心やさしい言葉で教えてくれたのが、サン=テグジュペリの『星の王子さま』だった。

『星の王子さま』は、愛することと生きることの悲しみについて語った本として、

私は何度も読んできた」

と言っていました。

わたしも何度も読もうと思います。

Makiko