スピリチュアル界や自己啓発の現場において、まるで親の仇のように繰り返される、美しい呪文があります。
「嫌な相手も、理不尽な出来事も、すべては愛です。大きな愛で受け止めましょう」
……おっと、少しお待ちください。
静謐監査官として、私はこの現場に、笑顔で厳重な「イエローカード」を突きつけざるを得ません。
これは愛でも何でもありません。ただの「境界線(セキュリティー)の完全崩壊」であり、自分の領土に対する致命的な不法侵入を許している、重大な適合エラーです。
監査現場:あなたの領土は「ゴミの不法投棄コンテナ」ではありません
「すべてを愛で受け止める」を真に受けてしまった真面目な方々は、往々にして次のような惨状に陥っています。
- 友人からの、終わりのない「愚痴という名のデスボイス」を、聖母の微笑みを浮かべながら2時間も拝聴している。
- 理不尽に不機嫌を撒き散らす上司やパートナーに対し、「あの人もきっと傷ついているのね」と、マザー・テレサばりの包容力で理解しようと血眼になっている。
- 自分の境界線の中に土足でズカズカと踏み込まれているのに、「これも私への学び、ありがたいギフト」と謎の納得をして耐え忍んでいる。
ここで、冷静に現場を検証してみましょう。
身長○○○センチの私のささやかな肉体と、その周囲にある聖域(パーソナルスペース)。そこに、他人が自分の都合で放り出してきた「ネガティブという名の生ゴミ」を、なぜ「愛」という名のオシャレな包装紙に包み直して、わざわざ自分の部屋に大切に保管しなければならないのでしょうか?
それは「器が大きい人」ではありません。
ただの「鍵をかけ忘れた、防犯意識ゼロの家」です。空き巣に入られて、「盗むものを与えてあげるなんて、私ってなんて愛に溢れているのかしら!」と悦に浸っているようなものです。
監査指摘:「ジャッジしない」の恐ろしい履き違え
なぜこのような大惨事が起きるのかと言いますと、
「ジャッジ(裁き)をしない」ということと、
「境界線を引かない」ということの区別が、
頭の中で完全にカルボナーラのようにごちゃ混ぜになっているからです。
監査官として、ここを明確に分別します。
ジャッジしない: 「あの人は性格が悪い、最低の人間だ」と有罪判決を下して、裁判官ごっこをする必要はありません。(それは相手の課題です)
境界線を引く: 「あなたのそのイライラや愚痴は、私の領土には1ミリも入れません。どうぞお引き取りください」と、門前払いをすることです。
相手が何をしようが、どんな邪悪なエネルギーを放とうが、それは相手の勝手です。そこをジャッジして変えようとする必要はありません。
しかし、それを「私の家(内界)に入れるかどうか」は、100%私が決めることです。それこそが、自分の人生の「光の主権」を握るということです。
すべてを愛で受け止めようとする健気な方は、相手をジャッジしない代わりに、自分の尊厳を盛大にジャッジして(蔑ろにして)しまっていることに、早く気づいてほしいのです。
処方箋:今すぐ設置すべき「心の防犯カメラ」と「インターホン」
もし、皆様の領域に「愛」という大義名分をかざして、境界線を踏み荒らそうとする不審な案件が発生いたしましたら、監査官として以下のステップを即座に実行することを推奨します。
1 インターホン越しに対応する
相手のネガティブなエネルギーが飛んできた瞬間に、玄関のドアを全開にして抱きしめる(=愛で受け止める)のはおやめください。「あ、今、なんか飛んできましたね」と、インターホンのモニター越しに冷徹に観察するだけで十分です。
2「お持ち帰りの徹底」を要求する
「それは大変ですね」と、大人のマナーとして1ミクロンの心のこもっていない共感のフリはしても、その問題の所有権はあくまで相手にあります。相手のゴミは、相手のポケットに綺麗にナイナイして持って帰っていただきましょう。
3「デビル」のカードを起動する
たまには、冷酷で、一切の綺麗ごとを寄せ付けない「お断り」のエネルギーを出してもバチは当たりません。デビルのような、「他人に一切縛られない、不敵な強さ」で、自分の静謐さを死守するのです。
監査結論
「全部を愛で受け止める」などという壮大な荒業は、地球を丸ごと救うレベルの神様になってからで遅くはありません。まずは、ご自身の半径数メートルの領土を、他人の汚染エネルギーから守り抜くことが先決です。
他人の不機嫌を華麗にスルーし、自分の「静謐」を最優先でキープする。
一見、冷たい人間だと思われるかもしれませんが、この「冷徹な境界線」という名のセキュリティーがあって初めて、私たちは本当に大切な人に対して、枯渇することのない本物の温かさを差し出すことができるのです。
境界線のない愛は、ただの共依存という名の不法占拠です。
現場からは、以上です。
makiko
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→ココナラ
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