今回はバレンタインデーにちなんだ、私の友達のストーリーをご紹介させて下さい。
ドイツで仲良しだったMちゃんの話です。
彼女は、フランクフルトで子供にクラシックバレエを教えていて、当時フランクフルトに駐在に来ている日本人家庭の女の子は、全員彼女の教室へ行ってました。
しかし、Mちゃんは当時ベルリンに住んでいて、週5、6日ベルリンから4時間かけて
フランクフルトに通っていました。
朝の始発に乗って、バレエを5、6クラス教えて終電でベルリンに帰って行く生活を何年も
続けてました。
年1回行われるバレエの発表会には、全員のお衣装を夜な夜な全部手縫いで縫い、フランクフルトに来ない日はベルリンの子供や駐在の奥様にバレエを教える。。。という驚異的な生活をしていました。
スケジュールがみっちりなのですが、たまたま風邪が流行っていて生徒さんが一人も来ないクラスがあれば、その隙を狙って連絡をくれ、よく二人でお茶をしていました。
Mちゃんはよく動く割に全然食べなくて、『私の身体はケーキでできてるの』と本人が言うように
ケーキを少し食べてる姿しか見た事がありません。
料理する時間もないので冷蔵庫も空っぽです。
お互い大阪人なので、フランクフルトのお洒落なカフェが、私達の席だけ一気に『大阪』に変身します。
『今、インフルエンザ流行ってるから、休む子多いやろ〜。今週休講にしたら良かったのに。。』
『そうやねん。全員インフルやから、今日はフランクフルトに来んとこ〜と思ってんけど
一人だけインフルじゃない子がいて来るって言うから。。。』
『え〜?一人の為だけに4時間かけて来たん??』
初めはお金が苦しいからそんなに働き詰めなのかなあと思っていました。
結婚願望がない訳でもなさそうで、
『こないだお父さんに、「結婚せんでもいいけど、可愛くない娘になったらあかんで。」って言われてん。』
と言っていました。
私はその時結婚していたので
『Mちゃんも早くいい人見つけて、楽して欲しいわあ。』
と、私は安全地帯にいるから大丈夫。あなたも早くこっちの極楽に来なさ〜いという
上から目線で話を聞いてたところがあったと思うのですが、
『いやもう私、明日死ぬかもしれへんから。子供たちにバレエの楽しさをもっと伝えたいねん。』
といつも言ってて、この人はすべての次元が違うわ、と思いました。
明らかに『お金の為に働いてる』のではないのです。
そんなMちゃんが数年前の2月14日に電撃結婚する事になりました。
2月14日はMちゃんのお誕生日でもあります。
そんな保護者と子供以外に出会いの場がないMちゃんが誰と??
お相手は、Mちゃんが書いている、バレエ教室の保護者向けの伝達事項ブログを見て、興味を持ったので連絡して来たそうです。
そのブログは、『次のお稽古はトウシューズを持って来て下さい』とか、『来週発表会の写真撮りをします』という、言ったら悪いけどそんなに面白いブログでもないと思うのですが、
そこにMちゃんの誕生日は2月14日と載せてあって、彼の誕生日も2月14日だったので、
興味を持って一度会いたいと連絡があったそうです。
それからトントンと話は進んで、二人のお誕生日に結婚。
彼の職業は建築家だったので、Mちゃんの長年の夢だったバレエスタジオをフランクフルトに
建ててくれ、通勤8時間の生活にピリオドを打ちました。
『でも、食生活が人間らしい食べ物に変わったぐらいで、
さらにバレエ漬け生活になったわ(笑)』
と、夢を手に入れてからもまだ歩みを止めないMちゃんでした。
自分らしく生きていたら、いつかきっと自分にぴったりな誰かと出会うという凄い例を目撃した感じでした。
Makiko