エンパスと聞くと、周りのエネルギーを読みすぎていつもクタクタになっている、傷つきやすく繊細で平和主義ーーーそんなエンパスにとって、覚醒をするというのは、非常に難しく痛みを伴います。
まず自分の重症度に自分で気づくのにも、膨大な年月がかかります。
その上、行動も変えていくとなると勇気が萎えて、波風立てるよりは今のままでいい、と逆戻りしてしまうケースが殆どです。
なぜなら、今までの生き方、在り方、やり方を180度変えた世界、というのがエンパスの覚醒後の世界だからです。
エンパスは、幼い頃から「人を喜ばせることで愛される」と学んできました。
笑顔をつくり、空気を読み、期待に応えようとするその姿は、健気で美しいものです。
けれど、いつの間にかその優しさが「仮面」になってしまうことがあります。
本当の自分を守るために、他人の心に合わせて形を変える。
それは生存のための知恵でもあり、同時に、魂の光を覆う薄いヴェールでもあるのです。
「人を喜ばせる自分」を基準に生きることは、世界との“分離”の始まり。
なぜならその瞬間、私たちは「自分の内側の声」よりも、「他人のまなざし」に重心を置いてしまうからです。
そうして私たちは、愛を求めながらも、少しずつ自分の中心から離れていきます。
けれど、ある時ふと気づく瞬間がやってきます。
「もう誰かを喜ばせるために、自分を小さく折りたたむのはやめよう」と。
この“やめる”という決意は、単なる反抗や孤立ではなく、
あなたの魂が再び“真のリズム”を取り戻そうとしているサインです。
最初のうちは、嵐が起こるでしょう。
周りもびっくりするし、あなたの優しさをアテにして生きていたほとんどの人は離れていきます。
それから、罪悪感、怒り、孤独。
それらはすべて、長い間あなたを守ってきた古いパターンが剥がれ落ちる音です。
あなたの内側で、感受性と創造性が再び息を吹き返そうとしている音です。
やがて、その混乱をくぐり抜けた先で、
あなたは“存在そのものへの信頼”を思い出します。
「あなたが息をしているのではない。宇宙があなたを通して息をしているのだ。」
というアラン・ワッツの言葉があります。
私たちは孤立した個ではなく、宇宙の生命が人間という姿をとって踊っている。
そう理解すると、人生は「頑張る」ものではなく「遊び(dance)」になります。
評価されるために動くのではなく、ただ“今ここ”の流れに身を委ねて踊る。
それが、本当の意味での「自由」です。
あなたが仮面を外すとき、
他人を喜ばせるための笑顔は、自然な微笑みに変わります。
与えることも、頑張ることではなく、
存在の喜びがあふれて勝手に流れ出す行為となります。
「光の主権」とは、支配や防御ではなく、
宇宙の呼吸とともに自分の存在を信頼すること。
それは、自分という小さな波が海と一体であると知る感覚です。
人を喜ばせるための人生から、
“存在そのものが喜びである生き方”へ。
それが、あなたが生まれてきた本当の理由なのかもしれません。
そして今日も、宇宙はあなたを通して静かに息をしています。
宇宙があなたの身体を通して呼吸しやすいようにするには、今日の自分のどこをどう緩めればいいでしょうか?
あなたはその呼吸に耳を澄ませるだけで、
もう十分に世界を照らしているのです。
makiko


