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ストレスと脳の健康 ~エンパスのためのセルフケア

現代社会においてストレスは避けられないものとなりつつあります。特に感受性が高く、他者の感情を吸収しやすい”エンパス”と呼ばれる人たちは、過度なストレスにさらされやすい傾向があります。

今回は、神経科学の観点からストレスが脳に与える影響、そしてエンパスが心と体を守るための実践的なセルフケアや心の持ち方をご紹介します。

ストレスとは何か?

ストレスとは、心や体が外的または内的なプレッシャーに対して感じる反応です。脳はこの脅威に対応するために、交感神経を活性化し、「戦うか逃げるか」反応を起こします。

ストレス時の脳の反応

扁桃体(へんとうたい)が活性化し、危険を感知。

視床下部-下垂体-副腎軸(HPA軸)が刺激され、コルチゾールというストレスホルモンが分泌。

慢性ストレスにより前頭前皮質(意思決定や自己制御を担う部位)の働きが低下し、感情のコントロールが難しくなる。

このように、ストレスは脳の構造と機能に大きな影響を与え、長期化すれば記憶力・集中力の低下、うつや不安障害のリスクも高まります。

ストレスと女性の脳 ~ホルモンの視点から~

私が最近好きな科学者にイタリアのリサ・モスコーニ博士という方がいます。

彼女の研究では、ストレスが女性の脳に与える影響が特に顕著であることが分かっています。

女性の脳はエストロゲンというホルモンの影響を強く受けており、コルチゾールの増加がこのエストロゲンの分泌を抑えることで、月経不順や更年期障害を引き起こすことがあります。

 ストレスとホルモンの関係

コルチゾールとエストロゲンは同じ前駆体ホルモン「プレグネノロン」から作られる。

ストレス過多になると、体はエストロゲンよりもコルチゾールの生成を優先する。

結果として、ホルモンバランスが崩れ、身体だけでなく心の健康も損なわれる。

共感力の高い人が受けやすいストレス

エンパス(共感力が非常に高い人)は、他人の感情を自分のことのように感じ取ってしまう性質があります。これは思いやりに満ちた美徳でもありますが、同時に他人のストレスや怒り、悲しみを無意識に吸収してしまうため、自己の境界が曖昧になりやすく、精神的な疲弊につながります。

エンパスが抱える典型的なストレス

人混みや騒音での極端な疲労

ネガティブなニュースやSNSでの精神的消耗

他人の感情に巻き込まれ、自己感情が見えにくくなる

ストレスに強い脳を作るライフスタイル

食事:脳を守るための栄養素リサ・モスコーニ博士は「脳に優しい食事」として、以下の栄養素を推奨しています。

抗酸化栄養素(ビタミンC, E, セレン):脳細胞をフリーラジカルから保護

オメガ3脂肪酸(DHA・EPA):脳の神経細胞の膜を強化

B群ビタミン(B6, B9, B12):神経伝達の合成とストレス対抗力を支援

運動:感情のデトックス有酸素運動は脳内のセロトニンとドーパミンの分泌を促進し、気分を安定させます。

特にウォーキングやヨガは、交感神経と副交感神経のバランスを整えるのに効果的です。

睡眠:最も効果的な脳のリセット時間深い睡眠は脳の「お掃除システム」であるグリンパティック系を活性化し、老廃物を排出。

毎日7〜8時間の睡眠が理想的です。

エンパスが心の平穏を保つためのマインドセット

1. 境界線を意識的に引く

他人の感情を感じ取るのはギフトですが、自分の感情と他人の感情を区別するために「これは私の感情ではない」と心の中で唱える習慣を。

2. ネガティブ感情のデトックス書き出しジャーナリング

一日5分でも、自分の感情を書き出してみる。

(強い感情を感じた時にその場できちんと感じることができたならそれに越したことはないのですが、エンパスは往々にしてその時は気持ちに蓋をして、後でジワ〜っと感情が襲ってくることがよくあるので。。。)

アロマや自然の音で五感をリセット。

3. 「何もしない時間」の価値を再認識する!!!

エンパスは常に外部情報にさらされているため、意識的に静かな空間をつくり、何も「しない」ことで脳を休ませましょう。

4. 『自己共感』の習慣化

他人に優しいエンパスこそ、自分に対しても「今疲れてるね」「頑張ったね」と声をかけてあげることが大切です。

5. 心の癒しとしての瞑想と自然

マインドフルネス瞑想は、ストレスによる扁桃体の肥大化を防ぎ、前頭前皮質の機能を維持します。

自然との接触(森林浴や海辺の散歩)は、コルチゾールを低下させ、脳波をα波に導きます。

ストレスと上手に向き合うことは、脳の健康だけでなく、心の安定、人生の質そのものに直結しています。特にエンパスのように感受性が高い方は、自分自身を守りながら、社会の中で健やかに生きていく術を身につけることが必要です。

脳は「使い方次第で鍛えることができる器官」です。

自分のリズムと境界を大切にし、ストレスと共にある日常を、少しでも優しく、穏やかに過ごしていきましょう。

P.S. 何より笑いはストレスを吹き飛ばし、すぐに波動を変えてくれます。最近笑ってないな、と思われる方は写真にある『おかんメール』の本をぜひ読んでみてくださいね😄