ポルトガルで書かれた作者不詳の詩です。
親愛なる子どもたちへ
年老いた私が
ある日
今までの私と
違っていたとしても
どうか
そのままの私のことを
理解してほしい
私が 服の上に
食べ物をこぼしても
靴ひもを
結び忘れても
あなたに色んなことを
教えたように
見守って
ほしい
あなたと話す時
同じ話を
何度も何度も
繰り返しても
その結末を
どうか
さえぎらずに
うなずいてほしい
あなたにせがまれて
繰り返し読んだ
絵本の
あたたかな結末は
いつも同じでも
私の心を
平和にしてくれた
悲しいことではないんだ
消え去ってゆくように見える
私の心へと
励ましのまなざしを
向けてほしい
楽しい
ひと時に
私が 思わず
下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのを
いやがる時には
思い出してほしい
あなたを追い回し
何度も着替えさせたり
様々な理由をつけて
いやがるあなたと
お風呂に入った
懐かしい日のことを・・・
悲しいことではないんだ
旅立ちの前の
準備をしている私に
祝福の祈りを
捧げてほしい
いずれ歯も弱り
飲み込むことさえ
できなくなるかもしれない
足も衰えて
立ち上がることすら
できなくなったなら
あなたが
か弱い足で立ち上がろうと
私に
助けを求めたように
よろめく私に
どうか
あなたの手を
握らせてほしい
私の姿を見て
悲しんだり
自分が無力だと
思わないでほしい
あなたを
抱きしめる力が無いのを
知るのは
つらいことだけど
私を理解して
支えてくれる
心だけを
持っていてほしい
きっとそれだけで
それだけで
私には
勇気が湧いて
くるのです
あなたの人生の始まりに
私がしっかりと
付き添ったように
私の人生の終わりに
少しだけ付き添ってほしい
あなたが
生まれてくれたことで
私が受けた多くの喜びと
あなたに対する
変わらぬ愛を持って
笑顔で答えたい
私の
子どもたちへ
愛する
子どもたちへ