今日は、フランクフルトで数年ヨガを教えていたエミーナのお話です。
皆さんの夢の実現にはいくらぐらいかかると思いますか?
エミーナは、0円で夢を叶えました。
彼女は、フランクフルト音楽舞台芸術大学でのヨガの生徒さんの一人です。
スロベニア出身の彼女は、1回も欠席する事なく、いつも一番にスタジオに来て、今日来るであろう人数分のヨガマットを敷いて準備をしてくれる子でした。
私のヨガクラスは、大学の必修科目ではなく自由参加で、舞踊学科の子だけじゃなくて音楽学科や教授、事務の方も参加されることがあったので、今日何人来るのか全く予測できないのですが、大体ほとんどピタッと人数分のヨガマットを敷き詰める、というワザをもった不思議な女の子でした。
彼女が1回生の時に
『毎回マット敷いてくれてありがとう。ヨガ好きなの?』
って聞いたら
『私、子供のころからヨガってやってみたかったの。でもスロベニアの実家の近くにはヨガ教室がなくて。
私もいつかヨガの先生になりたいわ。』
と言っていました。
そのまま黙々と通い続けてくれて、彼女が3回生も終わる頃、私がドイツを離れる事になりました。
大学の方は、引き継ぎの先生はすぐに見つかるにしても、私が日本人の駐在さんの奥様に教えている別のヨガ教室の引き継ぎの人は、なかなか見つかりません。
そこでエミーナに
『ヨガの教え方を教えるから、引き継いでもらえない?』
とお願いしました。
エミーナはダンサーなので、ポーズはすでに完璧です。→エミーナのヨガポーズ集
人柄も素晴らしいので、後はちょこちょこっとクラスの構成の仕方や、どこの箇所にどのように手を添えると生徒さんの身体が気もち良く開くか、などのコツをお教えしました。
日本人の奥様対象だけど日本語が喋れない、という点だけがちょっと不安でしたが、
その後、ヨガクラスを行っている学校のオーナーから
『エミーナのクラスは大好評で、彼女はよく頑張ってるわ。』
と時折メールがあり、本当に嬉しくなりました。
今はもうスロベニアに帰国したようですが、また母国でもヨガをしてくれたらいいな、って思います。
エミーナが子供のころからやりたいと思ってて、
実際ヨガの仕事を始めるまでの資金は0でしたよ。
タイミング、というのがあるのだと思います。
引っ越ししてきたとき、まだ何もなかったけど、ちょうど入れ違いでこれから出て行く人がいたから家具を全部もらった、みたいな。
私がドイツを離れる時もそうでした。
はじめは、ちょっとフリーマーケットみたいな感じで値引きの交渉も含めておもしろいから、値段をつけて売ってたのですが、最後の一週間とかになると、もうタダで全部あげる、っていうかむしろお金払うからだれか持って行って!みたいな感じになってきて。
そんな時に、ふらっと来る人タイミングのいい人がちゃんといるんですよね。
とりあえず新生活をスタートさせるためには、タダでもらえるものはもらっておいて、落ち着いてから要らないものは捨てたり、もっと自分好みのものや質のいいものに買い替えたりして、徐々にバージョンアップしていったらいいのだと思います。
Makiko