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人の身体を聞く

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以前、アメリカのダンサーMaryが2週間ほど我が家に泊まりに来られたことがあります。

すごく有名な方みたいなのですが、拍子抜けするぐらい

空気?みたいな方でした。

一緒にいてても全く威圧感が無く、毎晩一緒に夜ご飯を作って食べました。

 

もともと胃腸があまり丈夫ではない私ですが、ちょっと朝から気持ち悪い日があって

それをMaryにいうと、

”今日は私が晩ご飯をつくるわ。なにかあなたにいいものを。”

と言ってくれました。

 

その晩作ってくれたのは、青カビチーズのクリームパスタ。

この青カビの威力には驚かされました。

あんなに夜お腹いっぱい食べたのに、次の朝お腹がすいて目が覚めるのです。

 

次の日の夜も作ってあげるから、といってMaryが一人で台所に入っていきました。

テーブルに出されたのは

生の牛肉の上にタマネギのスライス、それを照り焼きソースで食べるというもの。

それとキュウリとニンニクをヨーグルトで和えたもの。

 

胃が気持ち悪いって言ってるのに、なんでこのメニュー??

と思いきや、

食べてみると意外に胃がすっきり!

 

3日目は、パスタにピーナッツバターを絡めたものでした。

 

いままでの私のレパートリーにはないものばかりでしたが、

それもそのはず、私の身体にはこれらの要素が欠けていたので

バランスを崩して、胃が正しく動いてなかったのです。

 

チーズや、なま肉、生のニンニク、ピーナッツ、だなんて

健康本や、誰かからきいた情報等で、わたしが頭から断固拒否してたものばかりです。

 

”栄養学の勉強とかしたの?”

と聞くと

 

”そんなのしてないわ。

でも人の為に料理をするとき、私はその人の身体の中に入っていくのよ。

そして、何が必要か耳をそばだてて聞いてみるの。

だから、だいたい私が作った料理を食べる人は皆、すごくおいしいって言うわ。”

 

人の身体に入っていく。

この言葉に彼女のすべての在り方が集約されてると思います。

そこには自分の主義主張はありません。

だから、彼女といると疲れないのです。

 

私たちはいかに自分のエゴを押し付けて、自分を素晴らしく見せる為に

すごいタルトを焼いてみたり、

聞きかじりの情報で、ローフードがいいと聞けば

真冬でもサラダばかり食卓に出して、

もともと冷え性なご家族の身体をさらに冷やしたりは

してないでしょうか?

 

このアメリカからのひょんな来客のおかげで、

胃の悩みが解消したのでした。

 

でもこのメニューは、この時の私の身体にたまたま合っていたのであって

ずっとこれを食べ続ける事はないですし、

皆さんはご自分の身体で、いろいろ実験してみて下さいね。

 

Makiko