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リシケシュ(インド)への旅7

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1月1日。

リシケシュの町は霧で覆われていた。

ホテルの前の道に、物乞いする人達が、ずらーっと座っている。
皆口々にハッピーニューイヤー!といって、
今日は結構しあわせそう。

いや、正確に言うと、物乞いしてる訳ではなくて、彼らはいつも座ってるだけなのだ。
ずっと川沿いに歩いていくと、小さな女の子がまとわりついて来た。

”昨日の夜、いろんな神様の絵を描いたの。1枚好きなの選んで。
1ルピーでいいから。”

なんか、今日はお正月な事だし、買ってあげたい気がチラッとした。

でも、1ルピーなんて、もってない。
申し訳ないが、500ルピー札しかないのだ。
しかも、このかわいい子にあげたら、それに続いてるあと7人の子にも
あげないといけないことになる。

”ほんとに1ルピー私もってないのよ”

なんとか振り切って前に進むと、
以前にもあった、日本人にあった。
”あそこのアシュラムの朝ご飯おいしいという噂だからいこうよ”

二人でアシュラムの敷地に門に入ってから、通りがかる人に
食堂はどこ?
と聞くと、
右行って左、
という。
左の坂をずんずん進んでいって、もうこの辺かな、
というとこで、また人に聞くと、
右行って左、
という。
もう丘の上まで来てしまって、また人に聞くと、
門の近く、という。

なんかの本でインドで道を聞く時は、3回は聞かないといけない、
と聞いたことがあるけど、そのとおりで
インドの人は、わからない、とかいうのが
かえって不親切な気がするらしい。
なので適当な返事でも、自信を持って、大きな声で、しかも即答してくれる。

おかげさまで、おなかぺこぺこで食堂に着いた。

その朝はちょっと甘い系のものが食べたかったので、
”なんか、甘い味のものってある?”
と聞くと、
”インド人はダイエットに気をつけてるから、朝から
甘いもの食べるやつなんていないんだよっ!”
と言われた。

その割には、午後に、みな信じられないほど甘いお菓子を食べる。
もう砂糖のかたまりみたいで、オエッと吐きそうなやつ。

その日の午後は予約してたシャンティーさんおすすめの、占星術のおじさんのところへ行った。
20分ぐらい早めに着いたら、まだ私の前の子が今から始めるところだった。
狭い部屋なので、また後でくるわ、といったら
”いいから、靴脱いでそこ座って。”
とおじさん言う。

前の子は日本人の女の子らしかったので
自分の占いの内容を洗いざらいアカの他人に聞かれるの
嫌だろうなあと、気を遣ってると、
おじさんが
”おれが今から言う事をこの娘のノートに書いてあげて。
あとで読み返せるように。それであんたの占いやってるときに
この子が書記係になるから。”

めっちゃ強引やな。
でも人の占い聞くなんて初めてで、おもしろかった。

そのうちにあとからまた2人、狭い部屋に入って来て
”あたしドイツ人なんですけどー、インドの滞在ビザをもらうには
どうしたらいいかアドバイスが欲しいの”
といって、部屋にどかっと座りだした。

途中でおじさんの携帯に誰かから相談の電話は入ってくるわ、
もう何人同時進行で占ってるのかわからん感じになってきた。
それでも、言ってる事はぎょっとするほど当たってたりする。

”今の旦那さんに知り合う前に、日本で3ヶ月だけつきあってた人いるでしょ”

なんで、そんなしょうもない事までしってんの?
背筋が凍る。
”前世はベリーダンサーだったから、今世もダンスやっていくね。”

”あ、でも20才のときに盲腸やって、まだお腹あたりのエネルギーが
滞ってるから、次の火曜日にハリドワールのお寺で、
儀式をしらたいい。で、水曜にデリーへいって、木曜にドイツ帰ったらいいねん。”
英語なのだが、なんか大阪弁でまくしたてられてるような気がした。

すべて強引で言い切り系。
まったく神秘的なところなし。

でもおもろい!このおっさん!!

なんの儀式か知らんけど行く行く!

インド旅行記8につづく