銀色夏生さんの詩にはまったのは高校生のとき。
当時のわたしは、自分の思ってる事を表現する語彙を全くもっていなかったので、彼女の詩は私のこころを代弁してくれているようで、読むとすっきりとした浄化作用があったのでした。
銀色夏生さんは、
『作品は苦しむ事からしか生まれない。ものを作るって、平和にしてたら胸に響くものは何も生まれない。自分もゆれているときに、たくさん言葉がでてくる』
というような事を言ってました。
アーチスト特有の孤独好きだと思います。
表現者は、自分は人と違って特別なはずだ、と思わないとやっていけないところもあると思うので。。。
有名人や成功者の一言って、若い時、もしくは自分が憧れてるけどまだその分野に詳しくない時ほど、なるほど、って鵜呑みをしてしまいがちなので危険でもあります。
そのまま真に受けて、よいアーチストになるためには孤独感が必要なのかと思って、一人で引きこもり、良い作品も出来ず本当に単に孤独になる人も多勢いるでしょう。
ワクワクしてれば大丈夫!の初級コースのステージにいる人もいれば
ワクワクしてるだけでは全然ダメ、の上級コースのステージにいる人もいます。
自分のステージにマッチした言葉を冷静に採用しなければ、ポジティブな言葉でさえ毒にもなり得ます。
始めの瞬発力にはなる孤独感ですが、遅かれ早かれ、それほど特別な人もいないし、自分も特別ではないことに気づくし、逆に言えば皆それぞれに特別、ようは皆一緒、ってことに気づきます。
私がこの人は本当に特別だな、ってビックリするのは愛のレベルが桁違いに違う人、とか。
そういう特別な人は確かにいます。
自分の人生で初めて直面する『特別な悩み』というのはあっても、『人とは全然違う自分だけの特別な悩み』というのはそうそうないような気がします。
それぞれのストーリーは色々なバージョンがあるけど、人間の本質はそう大差ないので、私は正直あまりストーリーは聞いてなかったりします。
ストーリーにとらわれると本質が見えにくくなってしまう。
ストーリーっていくらでも盛れるから。(笑)
『自分は特別ではない』
これって、自分は特別だと思いたい人ほど、絶対言いたくないマントラだと思いますが。(笑)
抵抗がある時ほど孤独なのかもしれません。
銀色夏生さんは、初期の2年間ぐらいの詩集しか読んでませんが、始めの『孤独感』を瞬発力として上手に活用した方だと思います。
他人の説教やからかいなど気にせずに、どんどんやりなさい。
けして周りを見たらダメだ。
仲間はいないんだ。
すくなくとも途中には。
君はやりたいように、どんどんやりなさい。
やりたいことを。
好きなやり方で。
その行為が同時に君を救うだろう。
その行為は同時に人をも救うだろう。
銀色夏生
私の中で、アーチストはその作品の完成度が素晴らしかったらそれでいので、その人が日常何をしてるとか、本当はどんな人かとかあえて知りたいと思いません。
仕事キッチリ、って言うのが好き。
舞台裏は真逆な感じなのがむしろ普通だと思っています。
近年はAmazonでも、夏生さんは変わってしまった、と酷評されてるようですが、昔のままの夏生さんで止まってて欲しい、私も止まってるんだから。
もしくは私の望む方向に一緒に成長して欲しい、できれば私の一歩先で。
みたいな、アカの他人に対するみんなの期待って凄いな、と思います。
アカの他人の行く末をこぞって心配する日本国民は、やはり慈悲の国民なのでしょうか。(笑)
そんな夏生さんの大昔の詩。
満点の笑みがありました
幾星霜の夢の中
いつかは
あなたに会えるかも
そうしてそれは
何故でしょう
『これもすべて同じ一日』より
う〜ん。確かに昔の夏生さんは凄かった!!
Makiko