まだ今年に入ってひと月半ほどですが 今年の元旦の頃…

一歩踏み出した人を神様は見捨てない
皆さんは、井上直久さんという画家をご存知ですか?
上の絵の作者で、宮崎駿の映画『耳を澄ませば』の背景も描いていらしたのでご存知の方も多いかと思います。
私は、若い頃お隣の市に住んでいたこの先生のところで、1年間アクリル画を習っていました。
先生は『イバラード』という一連の作品を描かれてるのですが、これは彼の住んでいる茨木市から来ている架空の国名で、魔法の存在する世界です。
ちなみに私の住んでいた高槻市はタカツングという名前の国で、私から見ると何の変哲もない普通の道路や住宅街が先生の目から見ると、こんな風に映るんだ、と思って驚いたのを覚えています。
先生はセザンヌをとても尊敬されてて、
『倉田さん、デッサンとは見た物を自分がどう解釈するか、なんですよ。』
ってよくおっしゃってました。
午後の三時以降にカフェインを摂るともうその夜は寝れないというぐらい繊細な先生は、あまり旅行とかしなくても、自分の頭の中で色んな世界に行けるからいいんだ、とおっしゃってました。
その頃の私は、世界中の珍味を食べてみたい、珍獣を見てみたい、という好奇心満々だったので、ちょっとたしなめられた気がして恥ずかしくなったのでした。
当時の先生は19年間地元の高校で美術教師としてお仕事されていたのですが、自分の好きなスタイルで納得いく仕事をしていきたいと思って、独立されて間もない頃でした。
その物静かな先生が、あるときからパッと輝きはじめて、その頃の私は『オーラ』という言葉をまだ知りませんでしたが、明らかにオーラが変わった!って思った瞬間があったのです。
何があったのかと言うと、スタジオジブリの宮崎駿さんから声が掛かって、次の映画の背景を描く仕事が入ったのです。
それが、アニメ映画『耳をすませば』でした。
あの『天空の城ラピュタ』のスタジオジブリの映画の背景!
私達アトリエ生は、先生が原画を描く準備の為のマスキングテープを貼ったりして、お手伝いをしました。
独立してから『耳をすませば』の話までは数年あったので、不安になった日もあったのではないかと思うのですが。。。
その時私は、思い切って自分のライフスタイル(生き方)を決断した人を
神様は絶対応援してくれるんだ、というお手本を目の前で見せてもらったのでした。
(画像は先生のHPよりお借りしました)