ドロミテ トレッキングの旅2

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(こちらは、2010年8月の日記です)

2日目泊まった山小屋Fanesはこの旅中で一番ゴージャスな山小屋だった。

各部屋にシャワーもついていて、しかも暑いお湯が無料!

(普通は3分1から4ユーロのコインを入れる)朝ご飯も種類が多く、例によってこっそり
昼用のサンドイッチを作る。
歩くだけの毎日。
歩きはじめの2、3時間はまだ頭の中ぐるぐるとなにかを考えてる。
4時間目を過ぎてくると、だいたい決まって、1つの考えに集中する。
”今日の夜ご飯何食べるか”、 だ。
といっても、どのコテージも山の上。
ヘリコプターで週に何回か食料品が運ばれて来るようで
どこのメニューもほぼ同じ。選べるほどの種類もない。
通常ドイツ語で書かれたメニューとイタリア語で書かれたメニューが
テーブルに置いてあるが、どこも同じなので、最後にはイタリア語のメニューまで
暗記してしまったほどだ。
そうか、これが語学修得の鍵か。
極限まで欲望をかき立てておいて(空腹を満たしたい)、その単語のイメージを
脳裏に焼き付け(ありありとその料理を頭に思い描き)、それを毎日繰り返す。
日常生活でも活かしてみたいところだが、飢餓感をそこまで感じるほど
追い込めないのが悩み。
ところで、うちの旦那が毎日のようにパスタを食べたがる気持ちがやっとわかった。
彼は毎日トレーニングをする人なのだが、身体をこれだけ使ったら
パンじゃなくご飯じゃなく、”パスタ”、が欲しくなる。
そして塩、オリーブオイル。
ということで、毎晩ミートトマトパスタと、サラダにしたたるほどオリーブオイルをかけて食べた。
試しに違うのも試してみたが、これが一番エネルギーを回復する感じがする。
家で食べてるのと同じだ。
なぜならトレーニングから帰って来た旦那が、
そればっかり欲しがるから毎日作る。
わたくしが、オリジナリティー溢れるクリエイティブな
世にもめずらしい晩ご飯を
披露したところで、特に興味なしという感じ。
トマトパスタを作ると
”こんなおいしいもの今まで食べた事ないよ!!”
と喜んでくれる。
ということで週5日はトマトパスタ。
旅行中もこれか。。。
でもこれだけ身体を使う毎日では、物珍しいからとか好奇心でワクワクして
食べるものを選ぶより、実用的な”身体回復メニュー”が絶対優先である。
同じものばかり食べてたら栄養が偏ってだめだと言う人も居るけど
いらないものをいろいろ食べるのはもっと悪い気がする。
私のヨガの先生は以前3ヶ月スイカだけを食べてた時期があって
その時が今までで一番体調よかった、と言っていた。
ということで、今晩食べるものも決まってるのだが、
なおかつ歩いてるときに、頭の中は夕飯の事でいっぱいなのである。
自分のいやしさにあきれる。
3日目はキツかったな。
でも、ここもまずまずこぎれいな山小屋で、2人部屋!
という事は、今晩は旦那一人のいびきに耐えれば良いだけである。
2人部屋なんてプライベートな空間を用意してあるだけあって、部屋の鍵も
オートロック。これも山小屋ではめずらしい。
この山道を8時間かけて歩いてくる根性ある泥棒なんて居ない気がするのだが、
新しく改装したての山小屋のサービスのつもりなんだろう。
夜中2時ごろ、偶然旦那とトイレで目が覚めた。
ここのトイレはドアの向かいなので便利だ。
小屋の外に2、3分歩いたところにトイレがあるところもあったから。
2人で部屋を出て、背後でバタンとドアが閉まった。
”おっと”
”鍵持ってるよね?”
”お前が持ってるだろ”
”あんたいつも鍵係じゃない”
”。。。”
閉まってしまったドアの前で呆然とする。
ああ、3秒前に戻りたい。
次号に続く